せんだんの杜「午後の音楽cafe」(認知症カフェ)へようこそ! 22
2017.08.31 Thursday 18:52
平成29年8月22日(火)に開催しました☕
講話は「おれんじドア」実行委員会:代表の丹野智文さんです!
「私は39歳の時に若年性アルツハイマー型認知症と診断されました。」と講話が始まりました。
この日の認知症カフェ「午後の音楽café」には夏休み期間ということもあり、仙台市内の
中学生や大学生も参加していましたので、丹野さんも「みんなのお父さんやお母さんの
年齢に近いと思います。」と自己紹介をしてくれました。
「もともとは自動車販売の営業として忙しく働いていた頃に『人より物覚えが悪いな』と
感じるようになり、仕事をしながらも以前とは何かが違うと悩み、病院へ行ってみたところ、
大きな病院で検査入院をすることになりました。」と、
ものわすれの心当たりを感じ始めてから、実際に受診され、診断を受けられるまでの過程を
丹野さんの当時のお気持ちやご家族との関わりも含めてお話ししていただきました。
その後、制度の狭間などの課題に直面されるなかで『認知症の人と家族の会』とつながり、
「最初は自分よりも年配の方ばかりだったので“場違いかな?”と参加することを迷いましたが、
みんなが優しく声を掛けてくれ、話をしてみるとみんな同じ病気、飲んでいる薬も同じ、
何だか嬉しくなって、助かった!自分の病気のことが言える!分かってくれる人がここにいる!
と思いました。そこでは笑顔で元気な認知症当当事者との出会いにより、10年経っても
元気でいられることを知りました。
私が選んだのは認知症になったことを悔いるのではなく、『認知症とともに生きる』という道。
アルツハイマーという病気になってしまいましたが、家族と過ごす時間が増えたこと、
家族の会の人たちと知り合えたこと、たくさんの優しさにふれ合えたこと、
悪いことばかりではありませんでした。」
「認知症になっても、周りの環境さえ良ければ、笑顔で楽しく過ごせることを知りました。
認知症と診断された後は環境が一番大事であると感じています。このことは若い人でも
年配の人でも同じです。人と人とのつながりの環境が大切で、それが私を笑顔にさせてくれました。
出会ってきた人たちは全て “パートナー” だと思っています。」
「仙台では2年前に『おれんじドア』が始まりました。認知症当事者が不安を持っている当事者の
話を聞く場というものです。『おれんじドア』は最初の一歩を踏み出すためのドアであり、
来てもらった人に認知症でも笑顔で過ごせることを知ってもらい、居場所へつなげる役割で
ありたいと考えています。」
「認知症は決して恥ずかしい病気ではありません。誰でもなり得るただの病気です。
病気によってできなくなることもありますが、できることもたくさんあります。
みなさんで支える社会を作りましょう!
私も認知症ですが、同じ認知症の仲間を支えていきたいです。
ぜひ、今日感じたことを“人ごと”ではなく、“自分ごと”として持ち帰ってほしいです。」
30分という講話の時間はあっという間でした。
お客さまからも「もっとお話が聞きたかった」という感想が多数寄せられました。
丹野さんの当事者としての一つひとつの言葉の強さと重みをしっかりと受け止めました。
・・・確かにしっかりと受け止めましたが、このブログにその強さと重みを表現するには
書き手側の力量がかなり不足するため、ここでも丹野さんの力をお借りしたいと思います…😌
すばらしいタイミングで丹野さんの著書「丹野智文 笑顔で生きる」が出版されていました!
丹野さんの気さくなお人柄にふれながら、丹野さんの言葉で一つひとつ丁寧に表現された、
丹野さんの笑顔が思い浮かぶようなすてきな著書です。
そして、丹野さんの日常生活をありのままに紹介して下さっているのでとてもわかりやすいのです。
私たちのような専門職はもちろんのこと、介護されているご家族、学生さん、地域の方、どなたでも。
優しくも温かい、そして貴重な学びの1冊になることと思います。
こちらをお読みいただければ、このブログで不足していることが全て満たされます・・・。
「丹野智文 笑顔で生きる」は、書店の介護コーナーで探してもそちらには並んでいませんよ。
なんと書店の新刊&一般書籍コーナーにあるのですから!
書店のセンター、しかも平積み、その中央にあるのですから!!
丹野さん、心にずっしりと響く、すばらしいお話をありがとうございました😊
🎼ミニコンサートは初のアンサンブル🎶
認知症カフェ「午後の音楽café」では初めてのアンサンブルによるミニコンサート!
『アンサンブル・プティフール』
火煙節子さん(チェロ)&水野二郎さん(フルート)&山田淑子さん(チェンバロ)です♬
夏の演奏とのことで、みなさんアロハシャツの正装で登場されました🌺
『アンサンブル・プティフール』を結成されて20年ほどになるそうで、気軽に楽しんでもらえる
【お茶受けになるクラッシック】が持ち味とのこと。レパートリーも幅が広いため、パーティーなどで
演奏する他に小中学校、児童館、市民センターなどでも演奏され、子どもからシルバー世代まで
楽しんでいただけるコンサート活動をされています。
楽器としても「午後の音楽café」ではチェロとチェンバロは初登場となりましたので、
お客さまからは「チェンバロってどんな楽器?」「初めて聴きました」などという声が多く聞かれ、
チェンバロについての説明をしていただきました。
「古い時代、ピアノが主流になる前、バロック音楽などで広く使用されたチェンバロ。
本当はもっと大きな楽器ですが、運送するのが大変なので、本日はエレクトリック・チェンバロで
演奏します。」と火煙(かえん)さんよりご紹介がありました。
とても湿度に弱い楽器なのだそうですよ。
演奏を聴かせていただくと、なるほど♪バロック時代の宮廷が目の前に浮かびました✨
第1部は【クラッシック】
「ソナタ 第1番 第1楽章」「水上の音楽より アラ・ホーンパイプ」「セレナーデ」
バッハ集として「アベマリア」「ポロネーズ」「G線上のアリア」
第2部は【ご一緒に!】ということで
「A列車で行こう」をウラ打ちリズムの手拍子入れて身体を動かし、
続いて「ああ人生に涙あり」をどんぐりコロコロの歌詞に変えて、みなさんと歌いました。
頭にあるメロディーと歌詞を変えるだけでこんなにも難しいとは・・・😢
手拍子で身体を動かし、替え歌で頭を使い、たくさん笑いながら音楽を楽しみました🙆
最後はみなさんの大好きな【ポップスタイム】
「午後の音楽café」へいらしているお客さまの世代に合わせて、
「テネシーワルツ(往年のJAZZの名曲)」「イエスタディ(団塊世代の方へ)」を楽しみ、
最後は「オリーブの首飾り」で景気よく、明るい雰囲気で盛り上げていただきました!
『アンサンブル・プティフール』のみなさん、心癒される演奏をありがとうございました😊
これからも「午後の音楽café」は続きます🍀
平成29年9月21日(木)※詳細は下記をご覧下さい。
10月17日(火)、11月16日(木)、12月19日(火)
平成30年1月18日(木)、 2月20日(火)、 3月15日(木)
毎回、ものわすれの話(講話)&ミニコンサートがあります。
8月のカフェは、丹野智文さん&『アンサンブル・プティフール』のみなさんでした。
「午後の音楽café」では、お客さまと講師の方、演奏される方ともつながっていきます。
話をしてみると、意外なところで人と人がつながっていることもあるので、
そのようなことを発見できる楽しみもあるのです♪
出会いの場であり、ゆるやかな学びの場です。アットホームな雰囲気がいいのです💖
コーヒーを飲みながら、ゆっくりと語り合うフリートークの時間もあります。
この時は、丹野さんが見学に来ていた中学生へ話し掛けてくれましたよ♪
「“認知症の人にも、できることはたくさんある”ということが知れてよかったです。」
近隣の、障がいのある方が働く事業所のお菓子もあります。
分野は違えど同じ地域で生活しているご近所さんです。
いつも、後方から認知症カフェを美味しく&優しく支えてもらっています。
日 時:平成29年9月21日(木)午後1時30分から午後3時30分まで
会 場:せんだんの杜(リベラ荘 1階デイサービスフロアー)
仙台市青葉区国見ヶ丘7丁目141-9(仙台青陵中等高等学校向かい)
内 容:コーヒーやお菓子を楽しみながら…
①ミニコンサート(第1部) ピアノ&ギター
山本直子さん(ピアノ)&千葉敏之さん(ギター)
②ものわすれの話
東北福祉大学 予防福祉健康増進推進室
仙台元気塾:木村大書(もとふみ)さん / 健康運動指導士
③フリートーク
④ミニコンサート(第2部) ピアノ&ギター
参加費:無料(事前のお申し込みなどは必要ありません)
カフェ:無料メニュー コーヒー・緑茶・ほうじ茶・麦茶
100円メニュー お菓子(クッキーなど)
主 催:吉成学区社会福祉協議会
ボラ・ネット「杜の丘」
国見ヶ丘地域包括支援センター
せんだんの杜